ライディングフォーム

体勢は低い方が良い?重心はどこ?

3月ですね。

次第に暖かくなってきてサーフィンの練習もしやすくなってきます。

冬の間にベーシックなことは練習しておくと、これからの季節体が軽くなるのでトップアクションなどのテクニック系の練習にパフォーマンスが高まって良い練習ができると思います。

3月といえばWSLという世界のサーフリーグのトップリーグであるCT(チャンピオンツアー)の初戦が行われる月です。

これを掻いている時点でほぼ試合は終わってしまっていますが(あと決勝のみ!)、毎年このオフシーズンが終わってから試合を見ているといろいろと気づくことが多いんです。

今日は意外と多い質問の中から、体勢の高い低い(重心の高さ)について書きたいと思います。

 

体勢・重心はどうすれば?

みなさんは重心位置の高い低いって意識していますか?

重心って見えないものなのですが、本人がどう意識しているかで変わってしまいます。

よく、

・重心を低くするにはどうしたらいいですか?
・体勢が低いほうがバランスが取りやすいですか?
・膝は曲げたほうが良いですか?

なんて質問を受けます。

体勢の高い低い、重心位置の高い低いはあまり意識する必要がありません。

答えから言うと、乗りやすければどう乗っても良いですよ。

ということです。

とはいえ、やってはいけない乗り方というのはありますが。

やってはいけない乗り方は、

前足体重
膝だけ曲がって腰は直立
かかと体重

これをやらなければ、体勢の高さは意識しなくていいです。

じゃどうすれば?

ご自分の最適な高さをどう作るか?

 

やり方はいろいろとあります。

やりかたを色々と紹介するよりは、単純に瞬時に動き出せる体勢というのを作ってみてください。

いろいろなスポーツの中で、瞬時に動き出せないといけない瞬間というものを意識してみると良いですよ。

 

サッカーのゴールキーパーがPK時にやっている構え
テニスやバレーボールで相手がサーブを打ってくる時の構え

 

など、これから何が起こるかわからない、どちらにでもすぐに動きだせる、瞬時に反応できる体勢ですね。

そのようなときに、

前足体重(利き足じゃない方に体重乗せる)
膝だけ曲がって腰は直立
かかと体重

ってならないですよね?

これは重心位置が高いとか低いとかではなく、瞬時に動き出す必要があるときに、できるだけ体の力を引き出したいわけですから、急に体の力を最大限に使える体勢ではないという事です。

そういった重心位置が高いとか低いとか体勢の高さではなく、この3つの体勢は基本しない方が良いという事です。

体勢の高さは関係ない?

ではなぜ体勢の高さはどうでもいいのでしょうか?

ものには必ず重力というものが掛かっていますね。

嫌でも地面に引っ張られているわけです。

その引っ張られているものは重さのあるものなら何でも引っ張られるのですが、動いている物体はその物体の重心(重さの中心位置)が重力により引っ張られているという事なんですね。

人間でなければ簡単にわかるのですが。

例えばティッシュの箱ありますよね?(ちょうど目の前にあったので)

あの箱にも重力はかかっています。

何も動かないものなら簡単に重心ってわかると思います。

ティッシュの箱を2個積み上げます。

その物体の重心は2つ重ねたティッシュの箱の中心です。

1個目と2個目の間ですね。

大したものでもないですし”箱”なので底が平らですし、安定していると思います。

そうそうひっくり返らないですよね。

揺らさなければ。

次は10個重ねてみましょう。

そうなると重心位置は5個目と6個目の間になります。

底の面積は変わらないのですが、重心位置が高くなりました。

ちょっと揺らすと崩れてしまうかもしれませんね。

では思い切って30個くらい重ねてみましょう。(そんなにないのでイメージで)

底の面積は変わらないですしそのまま積みあがっていくと15個目と16個目の間ですね。

もう積み上げているそばから29個目で崩れるかもしれませんね。

実際に私は物理学者ではないですし、説明的には間違っているかもしれませんんが、重心位置が高くなればバランスは悪くなるというのはこうい事だと思ってください。

ではサーフィンにおいての重心位置って?

自分のライディングを見たことがある方は体勢が高いか低いかわかると思いますが、見たことが無い方も、ご自分の重心位置は高いと思いますか?低いと思いますか?

これ、結構間違っている方が多いのですが、サーフィンでは全体的に体勢が低いと重心位置が低くなると思っている方が多いですね。

特に初心者の頃にテイクオフからすぐに転んでしまうという経験をしていると、

【サーフィンというのはバランスを取るのが難しいスポーツ】

という認識がされてしまうようです。

バランスが悪いし、バランスをとるのが難しいから重心は低い方が良い。

重心を低くすれば転ばない。

そんな風に思っている方が多いんですね。

物理的には重心が低いほうがバランスは良くなるのですが、サーフィンにおいては物理的な重心が低ければいいというわけではないんです。

問題は体のいろいろな部分のバランスです。

一番重視したいのが、

【脚力】

です。

体勢は低いほうが重心位置は低くしやすいです。

と思って、むやみに体勢を低くする方が多いですね。

で、体勢を低くするということは”膝をしっかり曲げること”と思っている方が多い。

で逆にバランスが悪くなるという方、結構多いんですよ。

なんで膝曲げたて体勢低いとバランスが悪いのか?

あの水の上でバランスをとるサーフィンは、水の力で下から色々な動きをしています。

スケボーなどででこぼこ道を走るとか、そういったバランスとは違うんですよね。

足の下で、ボードの下で水が動いているんです。

見た目ではわからない力も加わります。

そうなると急にバランスが崩れかけても瞬時にバランスを整えないといけないんです。

そんな時、

膝だけ曲がって腰は直立
かかと体重

これをやると、これをやっている時点で下がどうなろうと、陸上だろうと脚力を使っちゃっている状態になります。

前足体重に荷重している方は、バランスをとるのに急に利き足が使えないので、荷重を移動する時間も要ります。

でも、本人的にはバランスが悪いから体勢下げていると思いがちですね。

 

いざバランスに脚力を使おうと思っても、先に使っちゃっているので余力がない状態になります。

そして、体勢下げても転んでしまうイメージがつくと、テイクオフしても体がこわばっていて、肩に力が入りさらに悪化する。

意識的重心位置が上がってしまいます。

意識的に重心位置が上がってしまったら、その意識を治すのは相当時間がかかります。

意識的重心位置とは?

意識的な重心位置とは、ご自分で思っている重心位置です。

体勢を低くしてもバランスが悪いと思っている方はこれに当たります。

その意識的重心位置は、意識的に重心が低いと思えば低くなるのですが、これを濃く伏久するとなると大変なんです。

例えれば高所恐怖症を克服するようなイメージですね。

私は高いとこが苦手なのですが、高いとこ(5mくらいでも怖い)ではどこかにつかまってないと意識的重心位置が高く、バランスが取れないって思ってしまうんです。

例えば10センチ幅くらいのブロック塀の上で歩いているとしても、1mのたかさなら余裕ですが、もし3mとかあったら普通に歩けません。

おそらく普通に歩くだけでも意識的重心位置が高いので、体がこわばってバランスが取れなくなり落ちてしまいます。

その状態が水の上で起こります。

こうなる前に、意識的な重心位置を下げておけば”棒立ち”でも重心位置は低くなります。

サーフィンでのライディングでは、私の場合意識的な重心位置は足の裏くらいなので、棒立ち背伸びしても転びません。

【転ぶ】

というイメージがあまりないのです。

では転んでしまう方はどういう体勢が良いのか?

一般サーファーの方がお手本にしたい体勢とは?

これは是非見習ってほしいのが、女子のCT選手です。

特にモデル系の細身の選手。

今回クイックシルバーでも活躍のマリア・マニュエル選手もいいお手本です。

流石に女子でもCT選手ですからそれなりにトレーナーをつけての筋トレはしていると思いますが、それでもこの腰の高さです。

膝を曲げなくてもバランスが悪くなるわけではなく、逆に脚力を使わずにボードをコントロールして大きなアクションを行える効率のよい姿勢という事なんですね。

恐らく彼女も意識的な重心位置はボードにあると思います。

体勢は低ければいいのではなく、サーフィン自体がバランスが悪いものだとどうしても考えるのであれば、頭の位置だけは低くしておいてください。

バランスが悪い、脚力もそれほどない、経験値が浅いという方は下記の事だけは守っていただければライディングではバランスが良くなると思いますよ。

・頭の位置は下げる
・腰をお辞儀するように深く折る
・膝はそれほど曲げない
・若干つま先体重
・前後足のバランスは4:6くらい

イメージだとバレーボールのレシーブの体勢が良いかも。

後ろ足で下に思いっきり踏めるような体勢が理想ですね。

サーフィンはボードを下に踏むのが基本ですので。

こちらが参考になりますよ。

このままサーフボードに乗っていれば勝手にバランスが取れますね。

この体勢をスケボーなどでまっすぐ走りながら波に乗っているイメージで乗ると良いです。

スケボーで練習するときの注意点としては、

 

腰肩を前方方向へ開かない
前足体重にならない

 

あくまでもスケボーなら上記の2点はどうでもいいのですが、サーフィンだと開いても若干です。

どうしても進んでいる方向を見たくなるとは思いますが、ボードは見なくても勝手に進むので体の向きは気を付けてくださいね。

遠くを見すぎてもバランスは悪くなる

あと、遠くを見すぎてもバランスは悪くなります。

真下を見すぎても悪いですが、ライディング自体のバランスで言うと遠くを見すぎるよりは下見てた方が良いと思いますよ。

上級者はそれなりのスピードで進むので次のアクションを起こす部分が遠いので良いですが、初中級者の方は遠くを見すぎないように。

この体勢からバランスが悪いというイメージを抜いて、意識的重心位置を下げてください。

意識はなかなか取れませんので、転ばなくなるまでしっかり意識して苦手意識をとることです。

気を付けるのは、物理的な重心ではなく、意識的な重心位置です。

ただ単に体勢を低くするのではなく、体勢は高くてもバランスをとるのに体を使いやすい体勢というのを見つけてくださいね。

サーフィンレッスン歴25年近く、延べ2000人近くレクチャーしてきたノウハウと、月間に10万件近い閲覧数を誇るブログを運営してノウハウを提供しています。リアルレッスンもわかりやすいと評判で、予約が殺到しています。 是非私のメソッドをお試しください。

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