サーフィンのパドリングフォームについて|正しい姿勢の作り方
ちょうど今ゴールドコーストのクイックシルバープロがライブでやっています。
WSL(ワールドサーフリーグという世界ツアー)のCT(チャンピオンツアーという最高峰のツアー)初戦で、この試合が始まると春が来たな!という感覚で見れる試合ですね。
この試合で17年度が始まりますが、冬の間に調整して改良を重ねてきた選手のすべてが見れる試合でもあります。
見ていると、
あれ?手の形が変わっているな?
とか、
ターンの時のバランスが若干変わっているな?
とか、
各選手冬の間に調整している選手が居たりして見ていて楽しいですよ。
私の場合は大きい波はあまり好きではないので、どちらかというとこのようなトリッキーなサーフィンが出せるコンディションの試合を見るのが好きですね。
この試合をみていて思ったのですが、今年は空撮が多いですね。
特にライブでの空撮は去年はそれほど無かったか、無かったように思います。
ライディングもそうなのですが、今回注目したいのは、パドリングフォームです!
パドリングフォームというのはサーフィンにおいては非常に重要な項目です。
パドリングは陸上で言うところの”歩く・走る”という行動と同じなので、海上で歩く走るが出来なければ当然サーフィンを楽しむことが出来ませんね。
villageサーフスクールでも何度も見直して、正しいパドリングフォームを身に着けていただいています。
とにかく大事なのは、長年サーフィンをやっている方は特に、漕ぎやすいパドリングでは無く、進むパドリングを習得してほしいと思います。
やはり海では”疲れる”ということを身体が避けたいという気持ちがあるのか、私から見ると”疲れるパドリング”をしてしまう方が多いんです。
いつもと違うパドリングをすると余計疲れそうとか、進んでいる気がしないという感じもするのでしょうが…
普段のパドリングを早くするのは、なにも筋トレ等をしてパドリング筋力を上げる以外にも、パドリングのストロークを見直すことで劇的に早くすることが可能です。
そして、私はいつも教えているのですが、普段のパドリングをテイクオフ時にするのが最速でテイクオフするためのポイントですので、普段のパドリングを早くすることがテイクオフを早くするコツでもあるのです。
テイクオフ時にノーズを下げたり、体重移動をしたりと、テイクオフを遅くする要素を取り入れてしまっている方が本当に多いのは驚きます。
特にこの体重移動は、上級者のように波のパワーを捉えられる方はテイクオフが早くなる要素なのですが、波のパワーを捉えられない方にはタイミングが合わず失速する原因になっていることが大半です。
しっかりと平常時に一番早いパドリングのフォームを維持して、波に押される方向へしっかりと漕ぐことが重要ですよ。
コチラは私の空撮動画ですが、波を追いかけている時からほとんどパドリング姿勢を変えないで乗っています。
でも十分早いテイクオフなのが分かりますか?
体重も移動していません。
波に押される力に自分の力をアシストしてあげるイメージです。
正しいパドリング姿勢とは、
- しっかりとボードを下半身でホールドしておく事
- 肩の位置を高く保ち、大きい筋肉を効率よく使える体勢にする
- 肩から後ろをしっかり漕いでボードと身体を前に押し出す動きに変える
この3点に注目してください。
このようにパドリングしている方が多いです。
これでは腕の筋力に頼るしかなく、身体も踏ん張れないので効率が悪いです。
しかもテイクオフ時にテールが持ち上げられてしまい、波のパワーが生かせません。
波のパワーはボードを沈める動きによって働きますので、おへそ一点のパドリングでは波に乗ることが出来ません。
正しいイメージはこのようにしてください。
このように膝を曲げて、おなかに空間を作ってください。
胸と膝の4点で押さえる感じです。
このようにするイメージをしてもらうと、
え?これじゃ胸が反れないじゃないですか?
という質問をよく受けるのですが、やってみてください。
これをやると初心者パドリングの形じゃなくなります。
見た感じは普通のパドリングなんです。
お尻を上げすぎると駄目ですが、手のひらが入るくらいの空間をおなかに作ってみてくださいね。
この動きをやるとノーズが下がってしまうという方は、ボードの前に乗りすぎ。
逆にノーズが上がりすぎてしまう方は後ろに乗りすぎです。
画像のように意外とテールが沈んで、ノーズが上がりますが、いちばん進みやすいところを探ってみてください。
レッスンにお越しいただければちょうど良いポジションは見てあげることが出来ますが、周りにいる上級者や、普通にパドリングして乗っている方のバランスを参考にしてみるのも良いと思いますよ。
サーフィンンは意外と自分でこうやっていると思っても、ビデオを撮ってもらうと、あれ?ってなることが多いスポーツです。
誰かにバランスを見てもらっても良いでしょう。
パドリングフォームに慣れてきたらお腹は落としてリラックスしてくださいね。
普段のパドリングでもおへそあたりには体重はほとんど乗っていない感じですよ。
肋骨の下部分からモモのあたりまでべったりくっついている感じです。
お腹を落とすと膝は着きませんが、膝の上のあたりまでべったりとくっついています。
縦方向横方向にボードが押さえられるのはこの体勢だからです。
是非お試しください。